水道専門用語収録目次:計量法・結合塩素
専門用語一覧
計量法
「計量法」は、水道工事や建築工事、土木工事などの施工現場で用いられる工事の進捗や材料の量を正確に計測する方法を指します。これにより工事の進捗状況や材料の消費量を管理し、効率的なプロジェクト管理を行います。以下に水道工事における計量法について詳しく説明します。
●目的
計量法の主な目的は、工事の進捗状況や材料の消費量を正確に計測することです。これにより工事の進捗を把握し、予算やスケジュールの遵守、材料の適切な調達などを効果的に管理します。
●計量項目
a.水道工事における計量項目には、以下のようなものがあります。
b.パイプや管路の長さや直径
●バルブや弁の個数
a.配管工事におけるコネクタやジョイントの数
b.サイズごとの材料(コンクリート、鋼材、プラスチック等)の量
●計量方法
a.長さによる計量: パイプや管路の長さを測定して、工事に使用される長さを計量します。これは、パイプの実測長さを基にする方法です。
b.数量による計量: バルブや弁、ジョイント、コネクタなどの数量をカウントして計量します。これは、使用する部品や材料の数を基にする方法です。
●計量表
計量したデータは、計量表に記録されます。計量表は、計量項目ごとに計量された量やデータを整理して表示し、工事の進捗状況を把握するのに役立ちます。
●利点
計量法の利点は、工事の正確な進捗管理と材料の消費量の把握が可能であり、効率的なプロジェクト管理が行えることです。これにより予算やスケジュールのコントロールが向上します。
計量法は、水道工事の進捗管理や材料の管理に欠かせない手法であり、正確な計量を行うことでプロジェクトの成功に向けた適切な判断や意思決定が可能となります。
結合塩素
「結合塩素」は、水道において塩素が水中の有機物や不純物と反応して生成する化学物質を指します。塩素は水道水の殺菌や消毒に広く利用されており、その過程で塩素と水中の有機物との反応によって様々な化合物が生成されることがあります。以下に結合塩素について詳しく説明します。
●塩素の水中での挙動
塩素は、水道水中で主に遊離塩素と結合塩素の2つの形態に存在します。
a.遊離塩素: 塩素が水中で分子として溶解した形態を指します。遊離塩素は、殺菌や消毒の目的で利用される有効な成分です。
b.結合塩素: 塩素が水中の有機物や微生物と反応して生成される化学物質を指します。これは、塩素と有機物が反応して生成する塩素化有機物です。
●生成物の種類
a.塩素と水中の有機物との反応によって、多くの塩素化有機物が生成されます。これには、トリハロメタン(THM)、ハロアセトアルデヒド、ハロアミンなどが含まれます。
b.トリハロメタン(THM)は、塩素と有機物が反応して生成される代表的な塩素化有機物であり、クロロホルムやブロモジクロロメタンなどがあります。
●健康への影響
塩素化有機物の一部は、健康への潜在的なリスクを持つことが知られています。特に、長期間にわたる摂取や長時間の暴露によって、発がん性や生殖毒性の可能性が指摘されています。
このため、水道事業者は塩素の残留量や生成する塩素化有機物の量を制御し、国や地域の基準やガイドラインに適合させることが求められます。
●制御と管理
a.塩素の適切な添加量や残留量、生成物の制御は、水道施設の運用管理や水質管理の重要な要素です。
b.定期的な水質モニタリングや水処理プロセスの最適化、適切な塩素添加量の調整などが、結合塩素の制御に向けた対策となります。
結合塩素は、塩素が水中の有機物と反応して生成される塩素化有機物であり、水道水の消毒や殺菌において考慮すべき重要な要素です。適切な管理と制御が必要です。